朋和産業会社概要
[朋和産業本社外観]
朋和産業株式会社はプラスチックフィルムなどの包装用資材、販促ツールや各種包装用機械の製造・販売を行っている企業です。レンゴー・グループの一つであり、国内に拠点をたくさん構えています。特に国内の包装用資材では、朋和産業株式会社が一定のシェアを占めているのが強みです。
国内のネットワークは特に充実している一方で、現在はグローバル化を見据え、海外の生産ネットワーク拡充にも力を入れています。朋和産業は1962年に設立された歴史ある会社で、67年には本社工場が完成、1986年には東洋化工包株式会社を買収するなど、積極的に規模の拡大を進めてきました。1998年にはレンゴーの100%子会社となり、以後も合併や海外法人の設立、物流倉庫の増築など規模を拡大して現在に至ります。
- 社名:朋和産業株式会社 HOWA SANGYO CO., LTD.
- 本社所在地:千葉県船橋市習志野4丁目16番12号
- ウェブサイト:https://www.howa-s.co.jp/
- 設立:1962年9月21日
- 資本金:5億円
- 売上高:651億円(2021年3月期)
- 従業員数: 1530名(2021年3月現在)
- 事業内容: プラスチックフィルム・紙等による軟包装資材の製造販売/
販売促進ツールの企画、製造、販売/包装用機械の販売/上記に付随する一切の業務
朋和産業のパッケージ生産における強みや技術力
朋和産業株式会社のデイリー商品は、食パンや菓子パン、おにぎりなどの包装でよく見かけるものです。私たちが普段スーパーやコンビニで見かけている商品の中には、同社の包装資材が使われていることもあります。開けやすさや使いやすさを重視し、かつ品質を保つための工夫が施されており、意外に身近な存在であることが分かります。他にも冷凍食品で使われているパッケージや加工食品の包装、スナック菓子などに使われるフィルムパッケージにも使用されています。
デイリー用製品[画像元:https://www.howa-s.co.jp/products/]
朋和産業株式会社は、このようなパッケージで圧倒的なシェアを占めており、店頭で見かけない日は無いと言っても過言ではありません。食品だけではなく、パウチ製品や一部医療用(メディカル)の包装も同社の製品です。このように、様々な包装資材を手掛けています。
チャック袋/変形袋/スタンディングパウチ[画像元:https://www.howa-s.co.jp/products/]
メディカル[画像元:https://www.howa-s.co.jp/products/]
自社一貫生産体制
朋和産業の特徴的な強みの一つが、生産の一貫体制です。包装の製造だけではなく、パッケージ(包装)のデザインはもちろん、マーケティングや製品用データの作成、印刷・ラミネート加工に至るまで、全て自社一貫生産体制を整えています。一般的案包装メーカーであれば、いずれかの行程は外部へ委託するケースも珍しくありません。一貫生産にこだわっている点が、朋和産業株式会社の特徴とも言えるでしょう。
朋和産業の革新的な技術力と業界での評価
朋和産業株式会社の技術力は業界からも高い評価を受けています。2024年、公益社団法人日本包装技術協会主催の「2024日本パッケージングコンテスト」において、同社が開発した「おいしい温度が見えるパッケージ」が『食品包装部門賞』を受賞しました。
受賞作品である「おいしい温度が見えるパッケージ」は、豆腐包装における画期的なイノベーションです。特徴は下記になります。
- 温度可視化技術:豆腐本来の旨味が引き立つ最適な温度(17〜19℃)を、消費者が目視確認可能
- 感熱インキの活用:パッケージに使用された特殊な感熱インキにより、17℃付近で「食べごろサイン」が出現
- 消費者体験の向上:最適な食べ頃のタイミングを簡単に判断できる、ユーザーフレンドリーな設計
朋和産業の沿革
朋和産業の歴史は50年を超えており、誕生したのは今から54年前の1962年のことです。東京の墨田区にて事業を開始してそれから数年後にはお隣の千葉県に工場を作るなど、かなりの勢いで成長していきました。ちなみのこの工場は今でも存在しており、今の習志野工場のこととなります。
それから10年程度経過すると千葉県に本社ビルを設け、それだけにとどまらず関西朋和産業という企業も設立し、より大々的に事業を行うようになりました。
1990年代には他社を買収し、そして吸収合併をすることになりますが、1990年代終盤に国内でもトップクラスの規模を誇るレンゴー株式会社の子会社化されることになります。その後はそれまで以上のスピードで事業規模を拡大し、また存在感を示しながら増築や改築などを行っています。
2007年には資本金を5億円に増資するという決断もしていますが、これもレンゴーグループに所属しているからこそできたことなのかもしれません。また新ジスグランデ株式会社を子会社化し、吸収合併していますし、台湾進出も果たしています。2000年代後半あたりから海外進出に目を向けるようになり、台湾のみならず、中国(上海)、タイにも進出済みです。
また2012年には干潟工場新ラミネート棟を作ったり、本社ビルを建て替えるなど、景気の良いところを見せてくれています。
2016年には台湾支店を有限公司にするなど、より本格的な海外進出を果たしているのが特徴的だと思います。
企業の沿革を一通り確認すると、その企業の詳細を知ることができますが、朋和産業の歴史は非常に重みがありますし、国内、国外問わず素晴らしい活躍ぶりを発揮しています。沿革を見ると気づくのですが、昔から成長意欲のある企業でしたが、特にレンゴーグループに所属してからの勢いが凄まじく、国内企業を子会社化、吸収合併、さらに海外進出するといった姿も見受けられます。
ここ最近は排熱回収装置を設置したり、海外のTCフレキシブル・パッケージング社、BATICO社に出資していますので、東南アジアに大きな注目を持っていることが予想されます。
朋和ネットワークについて
朋和ネットワーク[画像元:https://www.howa-s.co.jp/company/office/index.html]
朋和産業が誇っているネットワークはとても素晴らしくて、日本国内、そして海外にまでそのネットワークは届いています。まず本社は千葉県船橋市習志野に位置しており、ここに拠点が作られてから相当な期間が経過しています。船橋市は千葉県の中でも特に東京に近い事でも知られていますので、ビジネスを行う意味でも利便性に優れているといえます。
また近くには成田空港と羽田空港があり、空の交通面でもメリットだらけです。そしてこの本社のすぐそばには、習志野工場も設けられているのですが、生産の拠点になっているといっても過言ではないでしょう。
2006年にはここに、グラビア棟も建てられています。同じ千葉県内の旭市には干潟工場もあって、2012年には新ラミネート棟ができて、2016年には全熱交換器などが設置されています。千葉県内だけでもこれだけの朋和ネットワークを誇っていますが、当然千葉以外の地域でも大規模なネットワークを構築しているのも特徴です。東京都千代田区の麹町には東京オフィスがあり、利便性の高さは随一といっても良さそうです。
ある意味ではここが朋和産業の顔といえるかもしれませんね。北から見ていくと、札幌と仙台にそれぞれ支店があり、仙台には工場も建てられています。そして新潟、名古屋に支店があり、基本的には大都市部には必ず支店が置かれているといえそうですね。
近畿地方には、京都に工場が、そして大阪には支店が設けられていて、関西地方もきっちりと押さえています。中国地方には広島の福山に支店があり、九州は福岡に支店と工場が備わっていて、また九州最南端の県でもある鹿児島にも支店が用意されています。これだけを見ても朋和産業が誇るネットワークの大きさや凄さを実感することができますが、これ以外にも海外進出も果たしています。
台湾の台北市、中国の上海市などにも、朋和の関連会社があるようですので、まさに怖いものなしのビジネス運営ができそうですね。軟包装の製品は日本のみならず、世界中あらゆる国で利用されるものなので、相当多くの需要があるのでしょう。支店を設けるというのではなく、現地に会社を作っているというのはすごいことですし、このネットワークを活用することによって、通常では得ることのできない様々なものを得ていることでしょう。レンゴーグループのバックアップの影響もあるかもしれませんが、朋和産業の勢いはとどまるところをしりません。
朋和産業の取り組み
朋和産業ではクライアントや商品の利用者が喜ぶ取り組みのみならず、自社で働く従業員、そして環境問題のために数多くの取り組みを行っております。
衛生面にも配慮した品質管理体制
包装用品の開発や製造の分野で強みを発揮している朋和産業は、安全衛生体制の整備に力を注いでいます。単に高品質な製品を作るだけではなくて、一見するだけではわからないようなとても細かい部分にもこだわりを持っています。
製造を行っているパッケージは部品関係の製品を包装する際やその他にも医療関係器材の包装にも使われています。ですから当然のことながら衛生面での気配りは必要ですし、安全性の高い製品作りのためには様々な対策を取る必要があるのです。実際にミスやロス、クレームを防ぐための努力を積み重ねていて、結果的に安全に使うことができ、なおかつ衛生面にも配慮した製品が生まれているのです。
品質の高さは朋和産業が誇る最大のアピールポイントだといっても過言ではなく、この品質を維持するためにはクライアント企業から発注を受けた時点から出荷を行うまでの間、様々な工程を経る必要があります。
- 適切な製造指示が行われているかのチェック
- 使用する原料や副資材の確認
- 欠点検査機における検査
- 残留溶剤検査
- 引張り試験機
- 外観検査
- 出荷前検査
このように様々なタイミングで多くの検査を行っているので、安全性が非常に高いと評判になっています。また、以下のような専門性、質の高い機器を用い検査をしているのも優れた点ではないでしょうか。
- ガスクロマトグラフィー:残留溶剤を測定
- 熱流速示差走査熱量計(DSC):樹脂やフィルムの融点を測定
- フーリエ変換赤外分光光度計:樹脂やフィルムの定性分析
[画像元:https://www.howa-s.co.jp/quality/approach.html]
更に、朋和産業では「トレーサビリティ」システムを構築しており、品質に対する思いを全従業員が共有しています。このような品質への取り組みを行っているからこそ、数ある取引先から信用されているのでしょうし、軟包装が包装のために使用されている食べ物を我々が安心して食すことができるのでしょう。
FSSC22000を認証した工場を保有
朋和産業は、世界的な食品安全推進組織であるGFSI(Global Food Safety Initiative(世界食品安全イニシアティブ))が承認する食品安全規格FSSC22000認証を干潟、京都、習志野の3工場で取得しました。
以前より、朋和産業は食品会社と同じ視点で衛生・品質管理に努めていますが、この国際規格を取得したことにより、さらなる信頼性を高めることができるようになりました。
※FSSC 22000は、ISO 22000を追加要求事項で補強した食品安全マネジメントシステムに関する国際規格です。
オンサイト型自家消費太陽光発電設備の導入
[画像元:https://www.howa-s.co.jp/company/news/detail20240501.html]
2024年には朋和産業株式会社干潟工場にて、オンサイトPPA(Power Purchase Agreement)モデルによる太陽光発電設備を導入しました。
PPA(Power Purchase Agreement)とは、契約した発電事業者が需要家の敷地内に太陽光発電設備を設置し、発電された電力を需要家に供給するサービスのことです。今回はSMFLみらいパートナーズ株式会社が発電事業者として朋和産業株式会社へ電力を供給するという構図になっています。
この設備によって発電された電力は全て干潟工場に供給される仕組みとなっており、それによってCO2排出量を938t(年間)を削減できる見込みです。
このように、朋和産業は再生可能なエネルギーの導入を推進し、温室効果ガスの排出量削減や脱炭素社会の実現に貢献しています。
コンプライアンス研修
コンプライアンス研修は、現代社会において重要度が高い社内取り組みのひとつだといえます。多くの従業員が目標に向かって真剣に働いていたとしても、一部の人間がコンプライアンスに反する行為を行うだけで企業にとって大きなマイナスになりますし、従業員やクライアント、商品の利用者にも迷惑をかける結果になります。
このような状況把握を行うためにも率先してコンプライアンスについて勉強し、その知識を活かして世の為人のために適切な行動ができるようになるべきです。その手助けをしてくれるのが、コンプライアンス研修の実施です。本社はじめとした各工場で社外講師を招き研修が行われ、多くの従業員が参加するそうです。
その他、職場/地球環境改善のための取り組み
そして、製品に関する安全性の取り組み以外にも安全衛生の推進や地球環境改善のために、以下のような様々な取り組みを行っています。
- 労働災害の撲滅
- 化学物質の安全管理
- リスクアセスメント活動
また朋和産業の工場では製造に直接かかわらない部分に関しても、安全に利用できる取り組みが行われていています。その一環が相手の行動を察知しづらくて危険が伴う階段部分に、天井設置型のドームミラーを取り付けるという試みです。
小さな工夫ではありますが、このような安全への配慮が積極的になされているというのは、働いている従業員にとっても安心できる材料となりますし、より良い会社環境が整備されていることがわかります。職場においては上記以外にも危険な場所がたくさんあるのが当たり前ですが、朋和産業では労使一体になりそれを改善できる案を見つけ、実行に移すようにしています。多くの工夫や努力によりパッケージの安全衛生が保たれ、そのうえ職場環境もより良くなっています。
更に、地球環境改善のための取り組みも併せて行っています。
- 省エネルギーカの推進
- 省資源化の推進
- ペーパーレス活動の推進
「朋和産業本社前」バス停新設、地域の交通ネットワーク拡大に貢献
朋和産業は、同社従業員、および地域住民の通勤通学の利便性を向上する目的で、京成バスと協議の結果、本社前に新たなバス停「朋和産業前」が設置(2012年12月23日)されました。これにより、地域の交通ネットワーク拡大にも貢献にもつながりました。
2021年4月10日からは、土曜日の7時~8時のダイヤでは、始発バス停の「北習志野駅」⇒(※8バス停飛ばし)「千葉日大一高」⇒「習志野」を経由し「朋和産業本社前」行きの直通バスが運行されています。
また、地域の路線バスの運行支援の観点から、バスの車体に朋和産業のロゴが入ったラッピングバスが運行されています。
船橋新京成バス 2023(LKG-AP35FM)
習志野200か 12-77朋和産業ラッピング pic.twitter.com/aDJS7iXQow
— 関鉄 (@bus_Kantetsu) July 24, 2023
朋和産業の口コミについて、まとめてみました
パッケージデザインのお陰で繁忙期でもスムーズに
朋和産業さんにホワイトデー用の半生菓子のパッケージを依頼した時に、見た目だけでなく密封性の高いものをデザインしてもらうことができました。
ホワイトデーは、まとめ買いされるお客様が多いため、ラッピングしなくても済むような華やかなものを希望していました。今までは、1つ1つラッピングしてお渡ししていたので、お待たせしてしまうことが多かったのですが、サッとショッピングバッグに入れるだけになり、
お客様にイライラされることがなくなりました。繁忙期に入ってもらうラッピング技術のないアルバイトでも、スムーズに販売できるようになり満足しています。
とても好評だったので、バレンタインやハロウィンなどのパッケージも依頼しようと検討しています。
パッケージのデザインを変えたら注文が増えました
他社と差別化するために、コーヒー豆のパッケージを新しくしたい旨を朋和産業さんにお願いしました。
ありがちな色合いを止めて、お洒落で若い人に共感してもらえるようなものにしたいという話を担当の方にお話しさせて頂きました。
すると、こんな方法があったのかというような、素敵なパッケージをデザインしてもらうことができました。
しかも、コーヒー豆が酸化しないような機能性も持ったパッケージにしてもらえて満足しています。店に置いた時に、以前よりも手に取ってもらいやすくなったように感じています。
それに、ギフト用としても箱詰めした時に見栄えするようになりました。
オンラインでの注文も増えたので、パッケージのデザインを依頼して本当に良かったです。
まとめ
朋和産業は、常に顧客ニーズに応える製品開発と、社会・環境への配慮を両立させながら、包装業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。今後も技術革新と持続可能な事業展開を通じて、業界の発展に貢献していくことが期待されます。